この胸の高鳴りはなんなのだろう。
あなたに対してだけは違う、すきの気持ち。





01.LIKE? それともLOVE?





「こんにちは、雪菜ちゃん」
「こ、こんにちは…」
「桑原くん、いるかな?」
「はい…今、呼んできますね。上がって待っててください」

ありがとう、そう言って微笑った彼を直視できなかった。


彼は家庭教師としてよく来ている。
それは今に始まったことではなくて、私が桑原家にお世話になる前からそうだった。
和真さんに勉強を教えたり、一緒に宿題をしていたり。

私は、彼が来るたびにどきどきしてる。





「少し休憩してはいかがですか?」
「雪菜さん!ちょうど煮詰まってた頃なんスよー!」
「いつもごめんね。ありがとう」

お茶を持っていくのが私の役目。
これだけのことなのに、いつも緊張してしまう。





どうして? いつから?
いつのまにか彼は、私のなにかを変えた。
わからないくらい自然に。 だけど、途惑うくらい大きく。


彼とよく話をするようになったのは、幻海さんの道場で、陣さんや凍矢さんたちが修行を始めた頃。
それまでは、トランプのルールを教えてもらったことくらいしかなくて、
話したことなんてほとんどなかった。

あの頃から、なにかが変わっていった気がするの。





「いつも見送りありがとね」
「いえ…」
「じゃぁ、またね」



すき。
そう思ったの。

他の誰に対しても違う、すき。
なんなのかわからない。

だけど、特別な、すき。



「あの、気をつけて帰ってください…!」





にこりと微笑んで去っていくその後ろ姿を、ずっと見ていたいと思った。










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雪菜ちゃん、恋する乙女全開です(笑)
恋してるって自分で自覚してからの彼女はとっても可愛いと思いますvv
2007*0902