ずっと一緒にいると誓った。

その誓いはずっと消えない。





愛と祈りの果てに





「もうすぐ百周期ですね」
「あぁ」

雪菜の言葉に飛影は静かに頷いた。
これからなにが起こるのか、ふたりとも理解していた。





「私のこと、愛してくれませんか」

雪菜は目をふせてつぶやいた。
飛影は雪菜に視線を送っただけで、動じる様子はなかった。

「…それはできない」

飛影の返答に、雪菜は予想通りだと思って笑った。

「兄さんの子を生めたら幸せなのに」
「バカ言うな」





そんな未来は望まない。

失うことだけはしたくない。





「お前が死ぬことを、俺は認めない」
「他の人を愛するなってことですか? わがままですね」
「…そうだな」


自分勝手なのは重々承知だった。
愛してやれないくせに、誰かにとられたくない。

ただ、傍に。







これから自分たちは何百年も生き続け、その度に雪菜は子を宿す。

それを断ち切らせることはできない。







「いっそのこと、お前の国でも作ったらどうだ?」

飛影が笑いながら言った。
冗談であって、本気でもあった。

「私の子孫だけの国? すごい国になりそうですよ」





そんな未来もありかもしれない。
なににも囚われない、そんな場所。

あなたが傍にいてくれるのなら、なにも怖くないから。





「じゃぁ、兄さん国王になりませんか?」
「俺がか? お前の国だろ」
「私じゃハクがつきませんよ」


そう言って雪菜が笑うと、飛影は雪菜の頭をくしゃりと撫でた。

いつも見守ってくれている優しい瞳だった。





「全部まとめて俺が面倒みてやるよ」













ずっと一緒にいると誓った。


その誓いは、今も消えない。















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短くてスイマセン;;
私にしては珍しく、飛影と雪菜ちゃんの関係を「愛」という視点において書いてみました。
飛影は愛してるからこそ絶対に手を出さない。だけど、誰かに奪われるのも嫌。そんな感じです。
愛しているけど、一緒にいたいと祈っているから、打ち明けることも結ばれることも出来ない。
ふたりが結ばれるような飛雪もいつか書いてみたいなーと思ってます。
2007*0331