すれ違っても、離れても、また巡り逢う。 僕らは、同じ未来をともに歩んでいく大切なもの。 僕らは 「幽助さんたちって、飛影さんにとってどんな存在なんですか?」 「……考えたこともないな」 「仲間、ですか?」 「そんな気色悪い言い方するな」 「…気色悪いって…」 「腐れ縁、みたいなもんだ」 「大切、ってことですよね?」 「そこまで言ってない」 僕らは廻り続ける歯車。 立ち止まることを知らずに、ただ廻り続ける。 先にあるものも、後に残してきたものも、知らずに廻る。 目指す場所に向かって走り続ける僕らは ひとつが欠けたら動きはしない。 「じゃぁ、躯さんは?」 「躯?」 「どんな存在ですか?」 「食えないヤツ」 「…それは、褒め言葉ですか?」 「イヤミだ」 「……」 「…あと、越えられない壁」 「目標ってことですか?」 「まぁ、そうだな」 「尊敬してるんですね」 「それはない」 「でも、大切なんでしょう?」 「……知らん」 僕らは研ぎ澄まされた刃。 切り裂くことしか知らない、鞘を失くした諸刃の剣。 傷つくことにも、失うことにも、躊躇はしない。 目の前にあるものを切り崩して進む僕らは 鞘を求めて彷徨い続ける。 「幽助さんたちや躯さんが羨ましいです」 「…そうか?」 「飛影さんには大切なものがたくさんあるんですね」 「…俺は大切なんて一言も言ってないんだが」 「見てればわかりますよ。顔にそう書いてありますから」 「……敵わんな」 「私も…」 「…?」 「私も、大切なものの中に入れてくれますか?」 僕らは太陽と月。 自ら煌めく太陽と、傷を隠して輝く月。 明るくすべてを照らし出し、希望の言葉を与え続ける。 儚くすべてを映し出し、癒しの歌を奏で続ける。 決して相容れることのない僕らは、ふたりでひとつ。 「…くだらんな」 「え…?」 「初めから入ってる」 君は僕の光。 眩しすぎない明るさで、闇を優しく包み込む。 君は未来永劫変わりはしない、僕の大切なもの。 --------------------------------------------- ちょっといつもとは違った書き方で書いてみました。 飛影と雪菜ちゃんの会話は書いてて楽しい。 文章を考えるのに苦労しました。 意味不明さが気に入っています(笑) 2006*0908 戻 |