a beam of delight




「飛影さん」
「…なんだ」
「今夜ラーメン食べに行きませんか?」
「ラーメン? …幽助のか」
「はい」
「なんで俺が…」
「まだ食べてらっしゃらないと聞きましたので」


おいしいんですよ、そう言って雪菜はにこりと笑った。
一緒になんて行ったら、なにを言われるかわかったもんじゃない。


「…行かん。興味がない」
「そうですか…残念です。じゃぁ、ひとりで行くことにしますね」
「…待て。屋台は夜だろう?」
「え? そうですけど…」
「…………」
「飛影さん…?」
「…今回だけだからな」


まただ。
毎回ペースを崩される。
それとも、俺が断れないと知っててこいつは言っているのか。


「ホントですか? 嬉しいです! ありがとうございます!」


ああ、だけど、そんなことはどうでもいいかもしれない。
無意識だろうと、策士だろうと、どっちでもいい。


そんな気にさせるとびきりの笑顔が見れたから。






2008*0317