あなたがほしい




優しい優しい口づけに、頬も身体も上気して、溶けてしまいそうになるの。


いつもならここで終わるはずの口づけの嵐を引き止めた。
怪訝そうな視線と、熱を帯びた視線が絡まる。


「足りない?」
「はい。」
「…あなたからそんな答えが返ってくるなんて思わなかったな。」
「おかしいですか?」
「いや、嬉しいけど…。」


もう子どもじゃないの。
だから、知ってる。


「ねぇ、蔵馬さん。」
「ん?」
「あなたがほしい。」


自ら肌を露わにして、わずかに動揺したあなたを煽る。
困惑した視線を流して、口づけた。






2006*0824