フライング・コンフェッション




この胸のどきどきがなんなのか あなたなら教えてくれますか?


「あの、蔵馬さん。」
「ん? なに?」
「私、蔵馬さんといるとどきどきするんですけど…」


真剣な顔で雪菜は蔵馬の顔を見上げた。


「なんででしょう…?」
「……。」
「蔵馬さん…?」
「…えーっと、今のって告白?」
「え?」
「………いや、ごめん、なんでもない。」


首をかしげる雪菜の姿を見ながら、
俺はどうすればいいんだ、と蔵馬は心底思った。


雪菜がこの想いに気づくのは、もう少し先のお話。






2007*0311