ふたりでひとつ




「俺さえいなければ、お前は幸せだったのか?」


忌み子。
穢れた子ども。
生まれ落ちた瞬間から、用済みの烙印を押された。


お前は愛されてると思ってたんだ。
お前だけは大事にされてると思ったんだ。


でも、俺が悪かったんだろ?
俺さえいなければ、幸せだっただろ?




「あなたがいなければ私の幸せなんてありえない。」


あんな鳥籠の中で、幸せなんて見つからない。
冷たい血が流れた人の愛なんていらない。
私がほしかったものは全部あなたが持ってるの。


あなたが抱く後悔なんてくだらない。
あなたが考えてる負い目なんて必要ない。


何を言ってるの?って呆れてみせるから。
もう2度とそんなこと言わないで。




名前を呼べばすぐそこにいるから。


もうお互い、迷子じゃない。






2006*0830