LoVe YoU




長く唇をふさいでいると、彼女が小さく抗議するかのように袖を引っ張った。
それを合図に彼女を解放する。 呼吸をくり返す彼女の瞳が俺を見上げた。


「…長いのは……苦手です。」
「知ってますよ?」
「! ……。 蔵馬さんってときどき意地悪ですよね。」


俺の答えに不満を感じたのか、彼女が少しむくれた顔で抗議する。
しかし、彼女がどれだけむくれて見せても、可愛い以外のなにものでもなくて。
俺はただ彼女に微笑を向けて、手を伸ばし、華奢な身体を押し倒した。
そして、耳元でささやく。


「今頃気づいたんですか?」


声にならない彼女の抗議の声が聞こえた気がしたが、
意地悪な俺は、それに気づかないふりをした。






2007*0619