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一連のトレーニングを終えて、シャワーで汗を流した後、
飛影が道場へと戻ると、鉄アレーを必死で持ち上げようとする雪菜の姿があった。


「……なにしてる」
「飛影さん…!私も、鍛えようかと…!」
「無意味だ」


そう言って、飛影は雪菜が持ち上げようとしていた鉄アレーを取り上げた。
だいたい、持ち上げられていない時点でトレーニングになってない。


「私だって強くなりたいです」
「…なぜ」
「いざというときに、みなさんの足手まといにならないように」
「……」


雪菜の言葉に、飛影はため息をついた。


「そんなのは必要ない」
「でも、何もできないのは嫌です…」
「言っておくが、お前が足手まといになったことはない」
「そんなことは…」
「今まで一度もない」
「……本当ですか?」
「本当だ」


言い切る飛影に、雪菜は黙って頷くしかなかった。


「お前には治癒能力があるだろう。それで十分だ」
「でも、蔵馬さんの薬草には敵いません」
「あんな狐より……お前の方がいい」
「そうでしょうか…?」
「俺に傷は治せない。だから、何もできないなんて言うな」
「飛影さん…」
「だいたい、いざというときなんて起こらない」
「…!」
「だから、そんな心配はいらん」


そう言いながら、ほったらかしにしていた濡れた髪を、
肩にかけていたタオルで拭きはじめた。
そして、思い出したかのように一言だけ付け加えた。


「何かあっても、俺の後ろにいればいい」


だから、黙って護られてろ。
そのために強くなったんだ。







守られるだけじゃ嫌だから

2011*1229
title by Honey Lovesong