窓からもれる朝陽の光がまぶしくて目が覚めた。 隣には、それはに気付かないかのように、穏やかに眠る彼女がいた。 LOVELY DATE 陽の光できらめくエメラルドグリーンの髪。 その髪にそっと触れて、指で弄んだ。 細く柔らかいその髪は、指の間をするすると流れ落ちて彼女の肩に広がる。 さわり心地のいいその髪に触れて、飽きることもなく何度も繰り返した。 そうこうしているうちに、彼女は小さな身じろぎをして目を覚ました。 「おはよう。」 「…おはようございます。」 彼女は照れているかのように、はにかみながら笑った。 俺はその額に唇を落とす。 すると彼女は昨夜のことを思い出したのか、みるみるとその白い頬を朱に染めた。 それが可愛くて俺が笑うと、彼女は怒ったような顔をした。 俺は相変わらず彼女の髪を弄んで、当の彼女はされるがままに俺を見ていた。 「今日どこ行きたい?」 「蔵馬さんと一緒ならどこでも。」 「それ、答えになってませんよ?」 「そうですか?」 小首を傾げる彼女の唇に、俺は笑いながら口付けを落とした。 「映画はこの前行ったし、水族館も行ったしなぁ…。」 「駅前のカフェもお店にも、昨日行きましたしね。」 ふたりで思いつく限りのデートスポットを挙げてみたが、どれもしっくりくるものがなくて。 思わずふたりで苦笑してしまった。 「じゃぁ今日は、うちでのんびりしましょうか。」 「そうですね。」 うちで紅茶を飲みながら、ふたりでソファーに並んで座って。 たまには、そんなデートもいいかもしれない。 2006/05/25 拍手公開 2006/09/23 再掲 戻 |