たとえば遠い未来なのだとしても。 決して訪れない明日だとしても。 刻まれた絆は永遠に絶えないと知っているから。 だから、ここにいるよ。 promise to wait 「待ち合わせって素敵だと思いませんか?」 「…は?」 「私は待ち合わせ時間よりも早く来るタイプなんです。」 「話が、見えないんだが…。」 唐突な話題転換だなと呆れたような顔をして。 それでも耳を傾けている。 今伝えたいと思ったから、今話すの。 『いつか』でも、『そのうち』でもダメで。 今じゃなきゃダメなの。 だって、風のように消えてしまうから、明日にはいないかもしれないじゃない? 「私、待つのが好きなんです。」 「それは、なんというか…けったいなヤツだな。」 「そうですか?」 「待たされるのなんて俺はごめんだ。」 「せっかちですもんね。」 「…うるさいな。」 「私は、待っていた人が来てくれたときの感覚が好きなんです。」 「…?」 「“あ、やっぱり来てくれた”っていう安心感が好き。」 約束が好き。 果たしてくれたときに幸せを感じるの。 守れなくても、守ろうとしてくれれば、それだけで十分。 約束は確かな繋がりだと思わない? 待ち合わせという約束が、切なくても、好き。 「…待ってろって言われたら、いつまででも待つのか?」 たとえば遠い未来なのだとしても。 決して訪れない明日だとしても。 いつか、きっと、という願いがあるから。 待っているものは、ひとつしかない。 「来てくれるのなら。」 負い目も理由も意地もなくなったら、期待してもいいのかな。 真っ直ぐな瞳で見てくれるって、望んでもいいのかな。 ここにいるよ。 君を待ってる。 君の言葉を、ここで待ってる。 2006/09/02 拍手掲載 2006/11/25 再掲 戻 |